ようせいのつぶやき

どうにかして言語化します。

映画「FILMUSIC!」を耳で鑑賞した話【前編】

最近のHey! Say! JUMPのアルバムといえば、“夢”と“妖かし”をテーマにした「PARADE」(2019)、“音楽×童話”をテーマにした「Fab! -Music speaks.-」(2020)といったように、コンセプチュアルな作品をリリースしている印象を持っている方も多いんじゃないかなと思います。

 

そして今週、「Fab!」から実に1年8ヶ月ぶり*1「FILMUSIC!」がリリースされました!やったぁ!!(拳を突き上げる絵文字)

 

今作のテーマはズバリ、“音楽×映画”。個性派揃いの豪華アーティストに映画をモチーフにした楽曲提供を受け、「エンタメ生まれ、エンタメ育ち」*2Hey! Say! JUMPにしか作ることのできない世界観が見事に演出された作品となっています。

Hey! Say! JUMP名物(?)の奇抜プロモーションは今作も健在で、過去アー写をコラージュした面白すぎる映画ポスターが見れる特設サイト、できたてホヤホヤの公式YouTubeチャンネルで公開されたメンバー数人*3による4曲のソロMVなど、発売前の時点でもかなりワクワクする仕掛けが満載でした。

 

 

…正直プロモーションだけでお腹いっぱいになりそうだなって思いませんでした?

実は私自身少し思ってたんですよ…(コラ!)

というのも、プロモ期間でほとんどの曲の試聴が解禁され、さらにソロMVでは新規収録曲がフル尺で公開、アルバム発売のスパンが空いたため既存シングルが多く収録されるなど、発売前から解禁ごとが多すぎて盤が手元に届く頃には新鮮な気持ちを味わえない可能性があるな…と思っていました。

 

ですが!が!!が!!!

蓋を開けてみたらびっくりびっくり!何度も聴いたはずの曲なのにワクワクが止まらない!!なんじゃこれは!!と軽く失神しかけながらアルバムをじっくり聴き込みました。

そうして「このアルバムの良さを書き留めておきたい!広めたい!」という思いでこのブログを書いているわけです。(ここまでが導入)

 

 

 

さて、ここからはアルバム曲を聴いた感想をつらつら書いていきます。

音楽の専門家でも歌のプロでもなく、ちょっと吹奏楽かじったレベルの音楽大好き一般人による、音楽理論とかほとんど知らんけどなんとなくノリで分析してみた考察が含まれますのでご容赦くださいませ。

 

 

それはまさに“聴く映画”。

今作「FILMUSIC!」の紹介文どアタマに書かれていた言葉です。この言葉を聞いて私は「“映画”=それぞれの楽曲」と認識していました。そしておそらく多くのオタクも同じ認識だったのではないかと思います。

そりゃそうなんですよ。 今作の目玉はおそらく映画モチーフの楽曲提供だろうし、特設サイトをクリックすると「FILMUSIC!」 と書かれた看板が掲げられているシアターがどどんと構え、ロビーにはアルバム曲それぞれをイメージした映画ポスターが貼られているんです。 それで「小さな映画(=それぞれの楽曲)がたくさん詰め込まれた映画館」、アルバムは言ってしまえば“ただの箱”の役割を担っているだけだと(勝手に)ミスリードをしてしまったのです。

「これ、アルバム自体がひとつの映画だわ!!!!!!!!」ってことに気づいたのはフラゲ日にアルバムを頭から聴いてからでした。アルバムのはじめと終わりの曲がそれぞれオープニング・エンディングっぽいことはなんとなくで分かるかもしれませんが、曲そのものや曲順の工夫によって引き出される曲ごとの隠された表情には実際にアルバムを聴かなければ気付けなかったと思います。

 

 

1曲目に隠された、世界観に入り込む仕掛け

我らが辻村さん・伊藤さん*4からの提供曲「MASTERPIECE」。1曲目に収録されてるしモチーフ映画も無いから、なんとなくオープニングらしい曲調なのかな~程度に思っていたので、実際に聴いたときめちゃくちゃびっくりしました。

プロモーション期間にオタクが何度も見たであろうソロMVには、映画感を出すために「20th CENTURY FOX」*5 ばりの映画配給会社風オープニングがついていたのですが、なんとその音源こそが一曲目「MASTERPIECE」の冒頭部分だったわけです。

「このメロディは映画のオープニングだ!」という刷り込みを1週間ほどされた後にアルバム冒頭で同じメロディを聴くことで、より映画を鑑賞しているかのような気分にさせてくれる仕掛けだったように感じます。曲もマジで天才なのでこれからも辻村さんと伊藤さんにはぜひともよろしくしていきたい所存。

 

 

似た曲をあえて近くに配置する

これまでのJUMPのアルバムを見ても、他グループを見ても、基本的に同じジャンルの曲が偏らないように曲順が組まれていることが多いです。同じような曲が何曲も続けて流れてきたら胃もたれを起こしてしまいますし、いろんな曲が入ってるよ!!感を出すためならむしろジャンルをバラけさせて曲順を組んだほうが効果的なんじゃないかなとも思います。

ですが、この「FILMUSIC!」ではあえて同じジャンル、似た曲を前後に配置することで、アルバム全体をすんなり一つの流れとして聴くことができるように工夫されているんです。

オープニングから流れるように爽やかで明るいブロック→力強く歌い上げる歌謡曲ブロック→さらに加速したダークなブロック→暗さの中にほんのり明かりが灯るバラードブロック→フィナーレに向かって再び加速していくブロック……

わかりやすく言えばコンサートのセトリのような、公演を1回見るだけで完結して楽しむことができるような曲順が組まれているのがかなり挑戦的で面白いなと思いました。

 

さらに、それぞれの曲にとってもメリットになることがあります。

例えば、2曲目の「サンダーソニア」と3曲目の「ネガティブファイター」はどちらもフレッシュな印象を与えるキラキラ応援歌アイドルソングという共通点がありますが、聴き比べると「サンダーソニア」は風が吹き抜けているような爽やかさが、「ネガティブファイター」には少し甘くとろみがある印象があります。特に「ネガティブファイター」は一年以上前に発売されたシングルで、私自身かなり聴き込んでいたつもりだったのですが、聴き比べのおかげで曲の新たな表情に気付けました。聴き馴染みのある曲が多く収録されている今作で、一曲ごとをしっかり聴いてもらうためには効果的だったんじゃないかなと勝手に考察してます。

…と考察していますが、制作側にそのような意図が一切ない可能性も十分ありますので!あくまでも個人の考察程度に留めておいてください!!

 

 

 

ここまでとりあえずアルバム全体の感想について書いてきましたが、なんと文字数が3400超え!期末レポートかな???となったので、曲ごとの感想は【後編】でまとめたいと思います。(今まで「ブログ書きたい!!」と言って有言実行したことが無い人だったので、【後半】までたどり着くことができるかは分かりません!反響次第!!)

他界隈でもプロでもない界隈内在住一般オタクの感想文(しかもちょっと大学生のレポートみたいな)を読んでくださり、ありがとうございます!!!!!!!!

 

 

 

*1:コロナの影響で情報初出から有観客ライブまでにかなり時間が空いてしまい、アリーナツアーを行っていた2022年1月まで約1年3ヶ月は現役だったFabニキ…

*2:めでたく開設となった公式YouTubeチャンネルの一本目で投稿された、ロゴ説明動画での一節。涙腺おばばなので軽率に泣きました。

*3:伊野尾くん、知念くん、有岡くん、髙木くんが参加。忙しかった山田くん、中島くん、薮くんと療養中の八乙女くんに扮したちびっこJr.が知念くんとともに「業務☆スーパーマン」のMVに登場しています。

*4:近年JUMPに曲を提供してくださる方々。代表的な曲だとみんな大好き「ファンファーレ!」など。NEWS先輩にも伊藤さん・辻村さんのクレジット順で多くの曲を提供している。

*5:Hey! Say! JUMPのインスタ開設日に行われたインスタライブでは、フィルターで遊んでいるときに見つけたモノクロフィルター→群青ランナウェイMV→冒頭のドラムパート→20th CENTURY FOXというおもしろマジカルバナナが起こっていました。 ちなみにインスタ開設日は6/17、アルバム情報解禁日は7/7。匂わ… まさかね……